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文献詳細

雑誌文献

検査と技術35巻2号

2007年02月発行

文献概要

コーヒーブレイク

食品の衛生管理 4―定量と定性・その2

著者: 奥田俊郎1

所属機関: 1三和農林(株)研究室

ページ範囲:P.176 - P.176

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 野菜の生菌数を測定(定量)していて,気づいたことがあります.それは標準寒天培地に生えたコロニーは,野菜によって異なることでした.早速菌の同定(定性)を始めました.そこでいくつか面白いことを見つけました.一つは,大まかに野菜の分類の科ごとで正常細菌叢が違うこと.二つは,同じ野菜でもその生育の良し悪しによって,若干菌叢が変化すること.

 前者には,非常に学問的な興味を抱きました.私どもの野菜作りは水耕栽培です.土耕栽培ではありません.ですから土壌微生物の関与は,比較的少ないはずです.しかも栽培を始めるに際しては,種子消毒を行っています.この段階で細菌はほとんど検出されません.それにもかかわらず,発芽してから約1~2週間でほぼ正常細菌叢は形成されます.これは種子の原産国や栽培場所の違いに,まったく関係がありません.具体的にいえば,アメリカ産種子やイタリア産種子を,わが国の北海道や関東,九州で栽培しても,その正常細菌叢は同じということです.この正常細菌叢を形成する細菌の起源はどこなのか.まったくわかりません.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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