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血液検査のピットフォール―偽性低血糖値と真性多血症
著者: 寺田秀夫12
所属機関: 1聖路加国際病院内科(血液学) 2昭和大学藤が丘病院内科
ページ範囲:P.254 - P.254
文献購入ページに移動 血糖値は一般には静脈血血漿グルコース濃度として表され,採血には解糖阻止剤であるフッ化ナトリウム(NaF:血液1mlにつき10mg)入りの採血菅で採血し,血漿分離後に酵素法を用いて測定する.血糖値が50~60mg/dl以下になると低血糖症状(顔面蒼白,発汗,動悸,不安感など)が出現し,重症例では昏睡に陥る.
しかし,筆者はかつてなんらの低血糖症状もなく,空腹時血糖値が血清49mg/dl,NaF添加63mg/dlを示し,NaFを倍量添加すると正常値に復した真性多血症の一例を経験した.
しかし,筆者はかつてなんらの低血糖症状もなく,空腹時血糖値が血清49mg/dl,NaF添加63mg/dlを示し,NaFを倍量添加すると正常値に復した真性多血症の一例を経験した.
参考文献
1)坪水義夫,西山博明,森啓,他:偽性低血糖を呈した真性多血症の1例.日本内科学会誌 70:1473,1981
2)寺田秀夫:血液検査とヒヤリハット.Medical Practice 22:1632,2005
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