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文献詳細

雑誌文献

検査と技術35巻3号

2007年03月発行

文献概要

私の一推し免疫染色

βhCG

著者: 笹島ゆう子1

所属機関: 1国立がんセンター中央病院臨床検査部

ページ範囲:P.262 - P.263

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はじめに

 日常病理診断を行うなかで,原発不明腫瘍の診断に遭遇することは少なくないが,特に未分化あるいは低分化な腫瘍である場合,各種免疫組織学的検索によっても原発巣の特定に至らないことがある.この場合,やむを得ず姑息的な化学療法を施行されることが多いが,治療前に,必ず除外しておくべき腫瘍の一つとして胚細胞腫瘍が挙げられる.原発は不明であっても胚細胞腫瘍に対する適正な化学療法がなされれば,比較的良好な治療効果を得られるからである.

 例えばPLAP(placental alkaline phosphatase,胎盤性アルカリホスファターゼ),c-kit,D2-40,Oct4などの陽性所見は,精巣セミノーマ(卵巣未分化胚細胞腫や松果体,縦隔の胚細胞腫も同様)を強く示唆し,CD30,Oct4陽性であれば胎児性癌,AFP(α-fetoprotein)陽性であればヨークサック(yolk sac)腫瘍を,βhCG(human chorionic gonadotropin,β subunit)陽性であれば,絨毛癌を考えることになる.

 以下は,当初原発不明未分化癌とされたが,βhCG陽性所見が決め手となって絨毛癌と診断され,化学療法が奏効した症例である.

参考文献

1)Silverberg SG, Kurman RJ:Tumors of the uterine corpus and gestational trophoblastic disease. Atlas of Tumor Pathology, fascicle 3, 3rd series. Armed Forces Institute of Pathology, Washington DC,1992

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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