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文献詳細

雑誌文献

検査と技術35巻3号

2007年03月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈生化学〉

アミラーゼ反応系(酵素法)を利用したカルシウム測定法の原理

著者: 木全伸介1

所属機関: 1東洋紡績株式会社 敦賀バイオ研究所

ページ範囲:P.274 - P.275

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はじめに

 総カルシウム(Ca)の日常検査法としてo-クレゾールフタレインコンプレクソン(o-CPC)法が多くの施設で利用されている.本法はアルカリ条件下,o-CPCと血清中Caの錯体形成によって生じる発色度からCa濃度を求めるものである.アルカリ条件下においてCaはo-CPCとの結合よりもアルブミン(Alb)との結合のほうが強く,血清Alb濃度に応じて発色が不十分となり蛋白質結合型Caの一部が測定できていないとの報告がある2).また,日常検査での問題点として,検量線がシグモイド曲線を示すこと,開封保存中,緩衝液のpH低下により検量線がシフトすること,共存するMgなどのイオンの影響を受けることなどが指摘されている1,3)

 一方,o-CPC法の問題点を解消すべく種々の酵素法が提案された.そのなかで,アミラーゼ反応を利用した方法が,Ca測定試薬初の酵素法として市販され,臨床検査室で利用されてきている.

 本稿では,アミラーゼ反応を利用した酵素法の測定原理について,市販キット“ダイヤカラー(R)・リキッドCa(東洋紡)”4)を例に解説し,本原理に基づく本法の特化性能について説明する.

参考文献

1)浅井孝道:カルシウムの測定法.検査と技術 10:31-37,1982
2)中林徹雄,赤沼幸子,大倉博文,他:酵素法による血清中カルシウム測定の基礎的検討.医学検査 43:1611-1615,1994
3)中恵一,下條信雄,尾崎幸男,他:酵素法による血清および尿中カルシウム測定法の開発とその日常検査への応用.臨床検査 38:249-254,1994
4)栢森裕三,木全伸介,水口克彦,他:血清カルシウムの新規酵素法液状試薬の開発とその評価.日本臨床検査自動化学会会誌 26:236-239,2001
5)Agarwal RP, Henkin RI:Metal binding characteristics of human salivary and porcine pancreatic amylase. J Biol Chem 262:2568-2575,1987
6)Levitzki A, Steer ML:The allosteric activation of mammalian α-amylase by chloride. Eur J Biochem 41:171-180,1974
7)池田亮,末平滋子,岡田健,他:三種類測定法による血清カルシウム測定試薬の基礎的検討.医学検査 54:995-998,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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