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文献詳細

雑誌文献

検査と技術35巻3号

2007年03月発行

文献概要

検査じょうほう室 〈生化学〉

Pharmacokinetics/Pharmacodynamics(PK/PD)

著者: 中村彰宏1 阿部教行1 小松方2

所属機関: 1天理よろづ相談所病院臨床病理部 2ファルコバイオシステムズ総合研究所検査三課

ページ範囲:P.280 - P.282

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PK/PDとは

 PKとは薬物動態学(pharmacokinetics)を意味し,“体液中の薬物濃度の時間的推移を速度論的に解析し,生体内の薬物の動態を追及する学問”である.すなわち薬物は体内に投与されると,分子という形で作用部位(感染部位)まで移行し,そこで受容体(標的菌)と結合し薬効を発揮するが,その投与部位から作用部位までの分子の移動を示すものである.

 一方,PDとは薬力学(pharmacodynamics)を意味し,“薬物が作用部位に到達し受容体と結合してから薬理作用の出現までを追及する学問”である.すなわち結合した薬物の作用部位における効果を示すものである.PKには薬物の吸収,分布容積(Vd),最高血液中濃度(Cmax),半減期(T1/2),血中濃度時間曲線下面積(area under the curve,AUC)などの要素が存在し,PDには感染動物を使用したときの生存率,感染部位における生菌数の減少率,最小発育阻止濃度(minimum inhibitory concentration,MIC)などの要素ある.米国のCraig1)はこれらの要素を考慮して三つのPK/PDパラメータを算出し,抗菌化学療法の治療効果を予測する理論を提唱した.

参考文献

1)Craig WA:Pharmacokinetic/pharmacodynamic parameters:rationale for antibacterial dosing of mice and men. Clin Infect Dis 26:1-12,1998
2)Clinical and Laboratory Standards Institute:Perfomance standards for antimicrobaial susceptibility testingu;ufifteenth information supplement. Clinical and Laboratory Standards Institute. Wayne,PA. 2005
3)斉藤厚,稲松孝思,岡田淳,他:呼吸器感染症および敗血症におけるブレイクポイント,日本化学療法学会感受性測定法検討委員会,42:905-914,日本化学療法学会,1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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