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病気のはなし
血友病
著者: 香川和彦1
所属機関: 1東京医科大学臨床検査医学講座
ページ範囲:P.330 - P.335
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血液凝固第Ⅷ因子異常症である血友病Aと,第Ⅸ因子異常症である血友病Bは,伴性劣性遺伝形式による代表的な先天性の止血異常症である.重症型では,幼少期から深部出血,特に関節筋肉出血を繰り返し,血友病性関節症に移行しやすい.出血時には凝固因子製剤による補充療法を行うが,経過中に同種抗体(インヒビター)が発生すると,バイパス療法などへの切り替えが必要となる.インヒビターに対する免疫寛容療法や,非出血時にも補充し続ける定期補充療法についても,その有効性が期待されている.
血液凝固第Ⅷ因子異常症である血友病Aと,第Ⅸ因子異常症である血友病Bは,伴性劣性遺伝形式による代表的な先天性の止血異常症である.重症型では,幼少期から深部出血,特に関節筋肉出血を繰り返し,血友病性関節症に移行しやすい.出血時には凝固因子製剤による補充療法を行うが,経過中に同種抗体(インヒビター)が発生すると,バイパス療法などへの切り替えが必要となる.インヒビターに対する免疫寛容療法や,非出血時にも補充し続ける定期補充療法についても,その有効性が期待されている.
参考文献
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