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文献詳細

雑誌文献

検査と技術35巻4号

2007年04月発行

文献概要

技術講座 一般

異型細胞を中心とした胸水,腹水,心囊水の細胞の見方

著者: 稲垣清剛1

所属機関: 1JA愛知厚生連安城更生病院臨床検査技術科

ページ範囲:P.343 - P.349

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新しい知見

 一般検査での胸水,腹水,心囊水の細胞の見方について,新しい知見として特に挙げるものはない.ただ,筆者がこれまで多くの検体数を手がけてきたなかで判明したこととして,中皮細胞も病態によって活動的になると稀に好中球を細胞質に取り込むことがあり,ひいてはその形態像が腫瘍細胞との鑑別に役立つということである.また,検体の外観性状で血性について,腹水よりも胸水のほうが割合が多く,検査依頼検体のなかで胸水45.5%,腹水31.3%にみられる.一方,血性検体と腫瘍性疾患との関係では,血性検体は腫瘍を認めた検体のほうが非腫瘍性検体より約5%程度ほど多かった.すなわち,腫瘍細胞を認めた検体について血性と非血性を調査したところ,血性検体は胸水48.2%,腹水34.2%であった.逆に,腫瘍細胞を認めなかったものについては,それぞれ42.8%と28.5%を示した1)

参考文献

1)稲垣清剛:ポケットマニュアル 穿刺液細胞.医歯薬出版,2002
2)坂本穆彦(編集):細胞診を学ぶ人のために.医学書院,pp268-281,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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