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文献詳細

雑誌文献

検査と技術35巻4号

2007年04月発行

復習のページ

貧血の鑑別診断

著者: 志賀修一1

所属機関: 1京都大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.400 - P.402

文献概要

[貧血とは]

 貧血患者と赤血球増多症患者との割合を比較してみよう.明らかに貧血患者が圧倒的に多い.それは,なんらかの疾病(骨髄疾患,慢性疾患,悪性腫瘍など)により身体に異常をきたすと,出血や溶血,骨髄造血能に抑制がかかり貧血を呈する場合が非常に多いからである.臨床医は,患者から種々の情報(既往歴,身体診察など)を得て,検査結果と合わせて貧血の鑑別診断をしていくことになる.貧血は病名ではなく,病態を示している.われわれは,意識だけで赤血球やヘモグロビンを増やすことはできない.健康な状態を維持していれば,ホメオスターシス(homeostasis,恒常性)が働いて,日常の生活に影響を与えることなく健康が維持されていく.なんらかの原因で体に障害が起こると,自然と体はそれの修復にかかるのである.修復しきれない状態が病気すなわち貧血状態に発展することになる.

参考文献

1)志賀修一,小柳逸子,神奈木玲児:反復切断補正法による血液検査項目の年齢別臨床参考値の設定の試み.臨床病理 38:1 93-103,1990
2)北村聖:貧血.日本臨床検査医学会(編)診療科別臨床検査のガイドライン2003―医療の標準化に向けて 36:150-154,2003
3)浦部晶夫:貧血.三輪血液病学,文光堂,pp952-960,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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