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文献詳細

雑誌文献

検査と技術35巻4号

2007年04月発行

文献概要

けんさ質問箱

心エコーで心不全を評価するには?

著者: 長尾秀紀1 宝田明2

所属機関: 1兵庫県立淡路病院検査・放射線部 2兵庫県立淡路病院内科

ページ範囲:P.403 - P.406

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Q.心エコーで心不全を評価するには?

心不全の疑いで心エコー検査を依頼されますが,心不全はどうすれば評価できるでしょうか,教えてください.(長崎県 S.S.生)


A.長尾秀紀・宝田明

1 . 心エコーで心不全の何を評価するか?

 心不全とは心臓になんらかの障害があり,末梢組織・主要臓器の酸素需要量に見合うだけの血液量を拍出できず,肺または体静脈系にうっ血をきたし,生活機能に障害を生じた病態を指す.一つの疾患ではなく,種々の心疾患の結果としての症候群と捉える必要がある.心エコーにより評価できるのは,心不全の,①心拍出量低下と②左室充満圧の上昇である.また,心機能には収縮能と拡張能があり,心収縮能は比較的保たれていても心不全を呈する症例を認めることが知られており,拡張障害による心不全は心不全症例全体の約40%を占めるともいわれる.このため,収縮能と同時に③拡張能を評価することも必要である.

参考文献

1)國近英樹,松﨑益德:心エコードプラ法による収縮期心不全の診かた.心エコー 6:28-36,2005
2)合田亜希子,中尾伸二,増山理:心エコードプラ法による拡張不全の診かた.心エコー 6:66-76,2005
3)Radfield MM, Jacobsen SJ, Burnett JC, et al:Burden of systolic and diastolic ventricular dysfunction in the community : appreciating the scope of the heart failure epidemic. JAMA 289:194-202,2003
4)宝田明:慢性心不全.赤石誠(編):新目で見る循

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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