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文献詳細

雑誌文献

検査と技術35巻4号

2007年04月発行

文献概要

コーヒーブレイク

食品の衛生管理 6―衛生管理から製品保証へ

著者: 奥田俊郎1

所属機関: 1三和農林(株)研究室

ページ範囲:P.352 - P.352

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 安全性の確保は,いまや衛生管理だけでは不十分な時代となりました.食のリスクは,食中毒だけではなく遺伝子組み換え作物や食物アレルギー,食品添加物,農薬などにまで及んでいます.衛生管理は主にバイオハザードを対象にしてきましたが,これからはありとあらゆるハザードが対象になります.食品で事故を起こしたら,製造物責任が問われ,事と次第によっては企業が倒産する時代なのです.それゆえ衛生管理から製品保証へと,システムの変更を余儀なくされました.

 BSE(bovine spongiform encephalopathy,ウシ海綿状脳症)事件の際,しみじみと法律の壁を感じました.ご存じのとおりBSEの全頭検査はスクリーニング試験をELISA法で,確認試験をウエスタンブロッティング法で行っています.連日マスコミは,全頭検査をするには検査員が足りず,担当者はほぼ徹夜状態が続いていると報道していました.私が親しくしている人材派遣業社は,これらの検査に熟練している集団は,臨床検査技師をおいて他にはないと考えました.早速試薬メーカーおよび検査企業と組んで,屠場に臨床検査技師を派遣することを試みました.その旨を所轄官庁に打診したところ,いとも簡単に「屠場での検査は法律で獣医に限られています.ですから臨床検査技師は無理です.」との返答でした.その後ある都道府県では,検査補助員という名目で,臨床検査技師などを臨時職員として募集していました.実際は補助ではなく,実質的な検査員でした.憤懣やるかたない心境でした.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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