文献詳細
文献概要
技術講座 病理
顕微鏡操作
著者: 幸福知己1
所属機関: 1兵庫県立尼崎病院検査・放射線部
ページ範囲:P.431 - P.436
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従来は接眼レンズを覗くことで得られた顕微鏡像をデジタルカメラなどで撮影し,スライドカンファレンスなどで使用してきた.しかし,現在では接眼レンズを通すことなく,標本全体をパソコンに取り込むバーチャルスライドシステムが開発され普及しつつある.バーチャルスライドシステムは10×~100×の対物レンズで標本をスキャンすることにより超高精彩な画像を作成することが可能である.得られた画像はパソコンのモニタ画面上で観察することが可能であり,ステージの移動,ピント合わせ,倍率切換えなどがすべてパソコンのマウス操作で行えるようになってきた.さらに離れた場所からでもネットワーク上のパソコンで同じ標本を複数の人が同時に観察することができ,病院内や病院間でのディスカッションやコンサルテーションなどへの活用が可能である.また,標本全体をデジタル化し保存できるため,標本が褪色する心配がなく,標本の検索も容易に行えるなどの利点がある.バーチャルスライドシステムは今後の遠隔病理診断(テレパソロジー)の本格的な実用化とともにさらに普及していくと思われる.
従来は接眼レンズを覗くことで得られた顕微鏡像をデジタルカメラなどで撮影し,スライドカンファレンスなどで使用してきた.しかし,現在では接眼レンズを通すことなく,標本全体をパソコンに取り込むバーチャルスライドシステムが開発され普及しつつある.バーチャルスライドシステムは10×~100×の対物レンズで標本をスキャンすることにより超高精彩な画像を作成することが可能である.得られた画像はパソコンのモニタ画面上で観察することが可能であり,ステージの移動,ピント合わせ,倍率切換えなどがすべてパソコンのマウス操作で行えるようになってきた.さらに離れた場所からでもネットワーク上のパソコンで同じ標本を複数の人が同時に観察することができ,病院内や病院間でのディスカッションやコンサルテーションなどへの活用が可能である.また,標本全体をデジタル化し保存できるため,標本が褪色する心配がなく,標本の検索も容易に行えるなどの利点がある.バーチャルスライドシステムは今後の遠隔病理診断(テレパソロジー)の本格的な実用化とともにさらに普及していくと思われる.
参考文献
1)野島博(編):改訂 顕微鏡の使い方ノート.羊土社,2003
2)稲澤譲治,津田均,小島清嗣:顕微鏡フル活用術 イラストレイテッド.秀潤社,2000
3)木下承晧(著),守殿貞夫,荒川【創】一(監):ひと目でわかる微生物検査アトラス.金原出版,pp58-60,2006
4)矢谷隆一,坂本穆彦:顕微鏡の基礎知識と操作法.坂本穆彦(編):細胞診を学ぶ人のために.医学書院,pp73-89,1998
5) ニコンホームページ(http://www.nikon-instruments.jp/jpn/products/list/model1.aspx)
6)オリンパスホームページ(http://www.olympus.co.jp/jp/lisg/bio-micro/)
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