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文献詳細

雑誌文献

検査と技術35巻5号

2007年05月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈一般〉

真赤な尿は血尿か?

著者: 喜舎場智之1

所属機関: 1阪南中央病院検査科

ページ範囲:P.468 - P.471

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赤いオムツ症候群

 あなたはこれ(図1)を血尿だと思いますか?ある日,女児を連れた母親が“子どもに血尿が出た!”と救急外来に飛び込んできた.いわゆる,赤いオムツ症候群である.この聞き慣れない言葉をご存じであろうか?オムツに赤い尿が付着したものをいうが,早速,尿検査を行ったところ,尿の外観はピンク色の結晶のようなものが析出していた.尿潜血反応は陰性で尿沈渣でも赤血球は見られず,無晶性尿酸塩がたくさん見られた.母親に“この赤いのは血液ではなく,塩類ですよ”と説明した.

 素人であれば,赤いおしっこが出れば,血尿だ!と思うのも無理はない.しかし,われわれ専門家はそうはいかない.赤いおしっこはどんな原因で見られるのか,また,それらを鑑別する方法を話したいと思う.赤色を呈する尿の代表的なものと主な尿の外観を表1,図2に示す.

参考文献

1)吉利和,黒川清,江藤澄哉,他:内科診断学改訂9版.金芳堂,pp881-893,2004
2)相川直樹,五十棲健,稲葉裕,他:医学大辞典第19版1刷.南山堂,p825,p1880,p2221,p2368,2006
3)二瓶宏,本間之夫,篠原幸人:症候から診断へ,腎・泌尿器・生殖器・神経,第3集.日本医師会雑誌 第123(8):29-33,2000
4)Barry M. Brenner, Fredric L. Coe(監訳):飯田喜俊,白井大禄,ブレンナー・臨床腎臓病学,第1版.医学書院,pp40-69,pp212-227,1992
5)金井泉,金井正光:臨床検査法提要,第31版.金原出版,pp177-182,1998
6)伊藤機一,野崎司:新・カラーアトラス尿沈渣.Medical Technology(別冊),pp15-21,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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