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文献詳細

雑誌文献

検査と技術35巻5号

2007年05月発行

けんさ質問箱

CKを上昇させる原因とその影響の程度は?

著者: 高木康1

所属機関: 1昭和大学医学部医学教育推進室

ページ範囲:P.497 - P.498

文献概要

Q.QCKを上昇させる原因とその影響の程度は?

CKが1,000~5,000U/lであるとき,心筋梗塞の疑いがなければ打撲や激しい運動の後,あるいは精神病患者の発作によるものと考えてよいものでしょうか.また,健常人では激しい運動および服用中の薬物による影響はどれくらいあるものなのでしょうか併せて教えてください.(中野市 M.T.生)

 

A.高木 康

 クレアチンキナーゼ(CK;EC2.7.3.2)は,クレアチン+ATP→←クレアチンリン酸+ADPの反応を触媒する酵素であり,高エネルギーリン酸化合物は筋肉の収縮の際のエネルギー源として供給されます.このため,CKは骨格筋,心筋,平滑筋などの筋肉に多量に存在しています.筋肉が傷害されると,筋肉中のCKは血中に逸脱し,血中活性が上昇します.したがって,血中CK活性を測定することで筋肉傷害の有無・程度を推測することができます.筋ジストロフィー症などの骨格筋疾患や心筋梗塞では診断指標としてまず検査される項目1)となっています.

参考文献

1)高木康:CK・CKアイソザイム.河合忠(編):基準値と異常値の間―その判定と対策,第5版.中外医学社,pp384-388,2001
2)Libman MD, Potvin L, Coupal L, et alu:uSeizure vs. syncopeu:umeasuring serum creatine kinase in the emergency department. J Gen Intern Med 6:408-412,1991
3)Blackie JD, Gibson P, Murree-Allen K, et alu:uAcute myopathy in status asthmaticus. Clin Exp Neurol 30:72-81,1993
4)Grham DJ, staffa JA, Shatin D, et alu:uIncidence of hospitalized rhabdomyolysis in patients treated with lipid-lowering drugs. JAMA 292(21):2585-2590,2004
5)中村治雄:スタチンと横紋筋融解症―スタチン系薬物を安全に使うために知っておくべきこと.日本醫事新報 4205:43-50,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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