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組織ドプラの使い方
著者: 室生卓1
所属機関: 1大阪市立大学大学院循環器病態内科学
ページ範囲:P.552 - P.553
文献購入ページに移動1 . 組織ドプラ法とは
組織ドプラ法とは,心室壁や弁輪部など心臓の組織の速度をドプラ法を用いて計測する手法である.血流計測に用いられるドプラ法と組織ドプラ法を比較すると,血流計測のドプラは対象を輝度が低く速度の速い赤血球としているのに対し,組織ドプラ法は輝度が高く速度の遅い心筋組織を対象にしている点が対照的である.
2 . 組織ドプラの実際
組織ドプラ法は前述のごとく,心筋組織の速度を計測するものであるが,計測値に含まれるのは,探触子方向への速度の総和であり,心尖部から僧帽弁輪部の速度を計測する方法が一般的となっている.実際には心尖部四腔断層図の左室側壁や心室中隔側の弁輪部にサンプルボリュームを設定して僧帽弁輪運動速度波形を記録する(図1).得られる指標には収縮期波(S'),拡張早期波(E'),心房収縮期波(A')がある(図2).
組織ドプラ法とは,心室壁や弁輪部など心臓の組織の速度をドプラ法を用いて計測する手法である.血流計測に用いられるドプラ法と組織ドプラ法を比較すると,血流計測のドプラは対象を輝度が低く速度の速い赤血球としているのに対し,組織ドプラ法は輝度が高く速度の遅い心筋組織を対象にしている点が対照的である.
2 . 組織ドプラの実際
組織ドプラ法は前述のごとく,心筋組織の速度を計測するものであるが,計測値に含まれるのは,探触子方向への速度の総和であり,心尖部から僧帽弁輪部の速度を計測する方法が一般的となっている.実際には心尖部四腔断層図の左室側壁や心室中隔側の弁輪部にサンプルボリュームを設定して僧帽弁輪運動速度波形を記録する(図1).得られる指標には収縮期波(S'),拡張早期波(E'),心房収縮期波(A')がある(図2).
参考文献
1) Ohte N, Narita H, Hashimoto T, et al:Evaluation of left ventricular early diastolic performance by color tissue Doppler imaging of the mitral annulus. Am J Cardiol 82:1414-1417,1998
2) Nagueh SF, Middleton KJ, Kopelen HA, et al:Doppler tissue imaging:a noninvasive technique for evaluation of left ventricular relaxation and estimation of filling pressures. J Am Coll Cardiol 30:1527-1533,1997
3) Ommen SR, Nishimura RA, Appleton CP, et al:Clinical utility of Doppler echocardiography and tissue Doppler imaging in the estimation of left ventricular filling pressures:A comparative simultaneous Doppler-catheterization study. Circulation 102:1788-1794,2000
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