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私の一推し免疫染色
乳管内癌の確定診断のために神経内分泌マーカーが有効
著者: 森谷卓也1
所属機関: 1東北大学病院病理部
ページ範囲:P.554 - P.555
文献購入ページに移動 乳腺の病理組織診断を行う際に,良性・悪性の判定に迷うことは決して少なくない.特に,乳管内に上皮細胞が増殖する,いわゆる“乳頭状病変”では,判断に苦慮する症例の頻度が高い.このようなときに,良悪性の鑑別に有用な免疫組織染色マーカーがあればいいと思うことがあるが,なかなかクリアカットにいかないのが実情である.しかし,ある特定の組織像をとっている症例に限られてはいるが,免疫染色が癌の判定に有効となるケースがあるので,紹介する.
組織像の特徴は以下のとおりである.①拡張した乳管内に上皮細胞が増殖していること,②樹枝状の線維血管性間質が介在する増殖性病変であること,③さらに,間質に付随する上皮成分が強く重層化し,充実性の胞巣をとっていること,である(図1).
組織像の特徴は以下のとおりである.①拡張した乳管内に上皮細胞が増殖していること,②樹枝状の線維血管性間質が介在する増殖性病変であること,③さらに,間質に付随する上皮成分が強く重層化し,充実性の胞巣をとっていること,である(図1).
参考文献
1) Moriya T, Kasajima A, Ishida K, et al:New trends of immunohistochemistry for making differential diagnosis of breast lesions. Med Mol Morphol 39:8-13,2006
2) Maluf HM, Koerner FC:Solid papillary carcinoma of the breast. A form of intraductal carcinoma with endocrine differentiation 144, frequently associated with mucinous carcinoma. Am J Surg Pathol 19:1237-1244,1995
3) Nassar H, Qureshi H, Volkanadsay N, et al:Clinicopathologic analysis of solid papillary carcinoma of the breast and associated invasive carcinomas. Am J Surg Pathol 30:501-507,2006
4) Rabban JT, Koerner FC, Lerwill MF:Solid papillary ductal carcinoma in situ versus usual ductal hyperplasia in the breast:a potentially difficult distinction resolved by cytokeratin 5/6. Hum Pathol 37:787-793,2006
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