文献詳細
コーヒーブレイク
歩み出した日本・タイ新興再興感染症共同研究センター―ボツリヌス中毒の集団発生を経験して
著者: 谷口暢1 岡田和久1 本田武司1
所属機関: 1日本・タイ新興再興感染症共同研究センター
ページ範囲:P.662 - P.662
文献概要
2006年3月17日,世界保健機関(World Health Organization,WHO)にタイ北部のNan県で,ボツリヌス中毒の集団発生が起こった可能性があるという報告が入った.3月20日,タイ公衆衛生省はNan県Banluang郡で開かれた宗教行事で会食した170人中152人にボツリヌス中毒の症状(嚥下障害,構音障害,眼瞼下垂,腹部不快感,筋力低下)がみられたことを確認した.発病者の全員が伝統的な方法で調理された筍の漬け物(缶詰)を食べており,食後24~48時間で発病した.152人の患者のうち100人が入院し,そのうち40人が人工呼吸器による補助呼吸が必要であった.
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