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臨床医からの質問に答える
尿沈渣と微生物検査における細菌数の乖離の原因
著者: 野崎司1 伊藤機一2
所属機関: 1東海大学医学部付属大磯病院中央臨床検査科 2大東文化大学スポーツ・健康科学部
ページ範囲:P.696 - P.700
文献購入ページに移動尿路感染症の診断には,細菌尿などの尿所見が極めて重要である.尿は本来無菌であり,細菌尿の存在は尿路感染症を意味する.細菌尿の判定は,試験紙による尿定性検査や尿沈渣検査,培養検査が一般的である1~4).しかし,尿定性検査や尿沈渣検査では再現性や検出率に問題があることが指摘されている5).また,培養検査において尿路感染症の原因となる起因菌を尿中から検出することは診断上必須であるが,正確な菌数を得るには少なくとも一晩以上の時間を要し,迅速とはいいがたい6~8).このなかで尿沈渣検査は比較的簡便に結果が得られ,細菌尿のスクリーニングとして多用されている.
細菌尿について尿沈渣検査と尿培養検査を同一検体で提出したが,両者の検査にて結果が乖離することがしばしばあり,臨床医から問い合わせがある.ここでは尿沈渣検査と尿培養検査における結果の乖離の原因について述べる.
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