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文献詳細

雑誌文献

検査と技術35巻8号

2007年08月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈血液●採血の現況と問題点・2〉

採血手技の実際

著者: 大西宏明1

所属機関: 1杏林大学医学部臨床検査医学

ページ範囲:P.791 - P.795

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はじめに

 これまでわが国には標準採血法のガイドラインが存在せず,採血は基本的には各施設あるいは各個人の経験に基づいて行われていた.臨床検査技師向けの教科書には,採血手順についてそれぞれ短い記述がなされることはあったが,それらの記載は統一されていなかったのが実情である.しかしながら,採血には表1に挙げたようなさまざまな合併症が知られており,不適切な手技によってはこれらが問題となる場合もありうる.一方,誤った採血手技により,検査データにもさまざまな誤差が生じうることも知られている.日本臨床検査標準協議会(Japanese Committee for Clinical Laboratory Standards,JCCLS)では,このような状況に対応すべく,2004年3月に標準採血法検討委員会を設置し,同年7月にわが国で初めて標準採血法のガイドラインをTentative Guideline(試案)の形で発行した1).その後,関連各方面から寄せられた意見・疑問や,政府による新たな規制,および近年発売された新たな採血用器具などに対応した内容を盛り込んだApproved Guideline(成案)も2006年11月に発行された.本稿ではこのガイドラインに基づき,具体的な採血法の手順とその技術について述べる.

参考文献

1) 日本臨床検査標準協議会編:標準採血法ガイドライン第1版(GP4-T).学術広告社,2004
2) 高山真一郎,仲尾保志,杉本義久,他:医原性末梢神経損傷―針による機械的損傷の手術例について.日手会誌 19:189-192,2002
3) Kalanick KAu:uPhlebotomy Technician Specialist. A practical guide to phlebotomy. Thomson Delmer Learning, NY,2003
4) Gottfried EL, Adachi MMu:uProthrombin time and activated partial thromboplastin time can be performed on the first tube. Am J Clin Pathol 107:681-683,1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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