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文献詳細

雑誌文献

検査と技術35巻8号

2007年08月発行

文献概要

臨床医からの質問に答える

採血後,誤って血液検体を半日放置してしまいました.測定できますか?

著者: 今福裕司1

所属機関: 1福島県立医科大学医学部感染制御・臨床検査医学講座

ページ範囲:P.796 - P.797

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■背景

 検査部が検体を受け取る以前に発生する要因によって検査値が変動するような問題を検査以前の問題(preanalytical problems)と呼んでいますが,血液検体を放置してしまった,という状態も代表的な検査以前の問題と捉えることができます.あるいは広い意味で検体採取(サンプリング,sampling)の問題とも言えるかもしれません.

 採血後,検査部が検体を受領して遠心分離をするまでに数時間を要することはままあります.遠心分離をしないで全血のまま放置された場合,赤血球から漏れ出す内容物によって種々の検査値が影響を受けることが知られています.代表的にはカリウム(K)でありましょう.特に低温保存を行うと赤血球内のKは外側に大量に移動して,高K血症のような検査結果をもたらします.

参考文献

1) Ozawa Y, Sato S, Matsumoto K, et alu:uDetermination of potassium flux activity of viable human erythrocytes by measuring the release-influx ratio. Clin Chim Acta 279:125-132,1999
2) Ozawa Y, Imafuku Y, Nishi S, et alu:uPotassium flux of erythorcytes in chronic hemodialysis patients. Clin Chim Acta 350:189-193,2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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