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学会印象記 第56回日本医学検査学会
挑戦,そしてさらなるスキルアップのために
著者: 古谷公英1
所属機関: 1順天堂大学医学部附属順天堂浦安病院検査科
ページ範囲:P.812 - P.812
文献購入ページに移動さて,本学会では「フェニックス―原点から未来への挑戦―」をテーマに掲げ,特別講演,招待講演,文化講演,教育講演,シンポジウム,パネルディスカッション,スライドカンファレンス,ワークショップ,一般演題に分けられ,それぞれ講演が行われた.私が日ごろ業務を行っているのが,一般検査であるため,最初に向かった先は,教育講演の「いま無視できないムシの話―日本国内における最近の寄生虫感染症の動向―」であった.寄生虫症の激減の要因には,国の経済復興,高度経済成長にあわせ寄生虫撲滅対策,人糞肥料から化学肥料への変更,農薬の使用,上下水道の整備などさまざまであろうが,すべての寄生虫症が日本から消滅した訳ではない.当院でもそれほど多くはないが,年に数例は寄生虫症を疑って検査が出されている.この2~3年の間では,赤痢アメーバのシストやジアルジア(ランブル鞭毛虫)の栄養型・シスト,日本海裂頭条虫卵,無鉤条虫卵,肝吸虫などが検出されている.寄生虫症疑いの検体が提出された場合は,患者の病歴・食べたもの,渡航の有無を確認したうえで,必ず見つけるという強い意識をもって検査に望み,常日頃から寄生虫の勉強を怠らないことが重要であると再認識し,講演を聴くことができた.
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