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有毛細胞白血病:hairy cell leukemia(HCL)
著者: 髙橋恵美子1 東克巳2
所属機関: 1東京大学医学部附属病院検査部 2杏林大学保健学部臨床血液学研究室
ページ範囲:P.832 - P.832
文献購入ページに移動HCLは腫瘍細胞の細胞辺縁に毛髪様に細胞質の突起を多数出している特徴的な形態を示す白血病である.この突起は位相差顕微鏡や走査顕微鏡によって最もよく観察され,診断にも重要となる.欧米では全白血病の2~6%に見られ,発症時平均年齢は約50歳で,80%以上が男性である.しかし,わが国では欧米に比べ頻度がはるかに低く,非定型的(variant)が大部分を占める.定型的(typical)では,著明な脾腫と汎血球減少症が最大の特徴で,末梢血中の有毛細胞(hairy cell,HC)は20%以下である.またリンパ節の腫大を伴うことは少ない.しかしながらわが国に多い非定型的(variant)では白血球の増加があり,その大部分がHCである.ほかの末梢血所見では赤血球や血小板の減少は軽度であることが多い.
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