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文献概要
病気のはなし
自己免疫性溶血性貧血
著者: 亀崎豊実1 梶井英治1
所属機関: 1自治医科大学地域医療学センター地域医療学部門
ページ範囲:P.6 - P.11
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自己免疫性溶血性貧血(autoimmune hemolytic anemia,AIHA)は稀な病態であるが,臨床症状と検査所見による溶血性貧血を想定し,自己赤血球に対する自己抗体を証明できれば診断は可能である.自己抗体の性状により病型診断を行い,各病型に応じて治療を行う.頻度の高い温式AIHAでは,ステロイド薬により80~90%の症例でコントロールは可能である.AIHAの数パーセントに直接抗グロブリン試験(direct antiglobulin test,DAT)陰性AIHAが存在しており,ステロイドへの反応性はDAT陽性AIHAと同程度であることから,DAT陰性溶血性貧血においては,赤血球結合IgG定量などの検査を行い,積極的な診断が望ましい.
自己免疫性溶血性貧血(autoimmune hemolytic anemia,AIHA)は稀な病態であるが,臨床症状と検査所見による溶血性貧血を想定し,自己赤血球に対する自己抗体を証明できれば診断は可能である.自己抗体の性状により病型診断を行い,各病型に応じて治療を行う.頻度の高い温式AIHAでは,ステロイド薬により80~90%の症例でコントロールは可能である.AIHAの数パーセントに直接抗グロブリン試験(direct antiglobulin test,DAT)陰性AIHAが存在しており,ステロイドへの反応性はDAT陽性AIHAと同程度であることから,DAT陰性溶血性貧血においては,赤血球結合IgG定量などの検査を行い,積極的な診断が望ましい.
参考文献
1) Petz LD, Garratty G:Immune Hemolytic Anemias, 2nd ed. Elsevier Inc, Philadelphia,2004
2) 小峰光博,梶井英治,亀崎豊実,他:自己免疫性溶血性貧血診療の参照ガイド.臨床血液 47:116-136,2006
3) 亀崎豊実,梶井英治:溶血性貧血.血液フロンティア 15:741-750,2005
4) 亀崎豊実,梶井英治:特発性造血障害 最近の進歩 自己免疫性溶血性貧血の分子病態.臨床血液 46:307-316,2005
5) 梶井英治:最新 血液型学.南山堂1998
6) 亀崎豊実:自己免疫性溶血性貧血の標的抗原エピトープ.臨床免疫 43:487-493,2005
7) 梶井英治:クームス陰性自己免疫性溶血性貧血.溝口秀昭,平井久丸,他(編):血液疾患-state of arts ver.2,医歯薬出版,pp97-99,1998
8) 亀崎豊実,梶井英治:自己免疫性溶血性貧血の免疫学的検査.臨床検査 47:1177-1185,2003
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