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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻1号

2008年01月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈生化学〉

日臨技の臨床検査データ共有化への取り組みについて

著者: 森下芳孝1

所属機関: 1名古屋大学医学部附属病院医療技術部

ページ範囲:P.56 - P.58

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はじめに

 近年,糖尿病や高脂血症といった生活習慣病,また心筋梗塞や脳卒中のような動脈硬化性疾患などがマスコミなどで大きく報道され,健康や疾病予防,そして,指標である臨床検査値に対する国民の関心は高まりつつある.大学病院のような特定機能病院で得られた検査値も,小さな診療所で得られた検査値も,同じ患者の検体であればいかなる成分も同じ値になるものと国民は考えている.至極当然といえばそうかもしれない.真値は一つであるが,腫瘍マーカーや内分泌物質のように,測定法や測定条件によってどうしても測定値が異なるものもある.しかし,血糖,尿酸,コレステロール,ALT(alanine aminotransferase)のように正確さのトレーサビリティー連鎖体系が確保された項目では,それに従った標準物質や標準化対応法を各検査室が用いれば,不確かさを含む範囲内でデータの共有化は可能になるはずである.データの共有化が進めば,従来のように病院を変わるたびに行われていた無駄な重複検査はなくなり,医療費の削減にもつながる.

参考文献

1) 社団法人日本臨床衛生検査技師会臨床検査データ共有化部会:臨床検査データ共有化ガイドライン.医学検査 55:1246-1251,2006
2) 社団法人日本臨床衛生検査技師会臨床検査データ共有化部会:臨床検査データ共有化マニュアル―都道府県基幹施設用.医学検査 55:1252-1263,2006
3) 社団法人日本臨床衛生検査技師会臨床検査データ共有化部会:臨床検査データ共有化マニュアル―参加施設用.医学検査 55:1264-1276,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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