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Laboratory Practice 〈病理●内部精度管理・1〉
病理検査室のインシデントの現状とその対策
著者: 畠榮1
所属機関: 1川崎医科大学附属病院 病院病理部
ページ範囲:P.59 - P.61
文献購入ページに移動はじめに
病理検査はほかの分野の検査と異なり,その成績は単なる数値として表せるデータではなく最終診断的要素をもち,臨床において診断や治療方針の決定に重要な役割を担っている.病理形態検査がからむインシデントならびに医療過誤のなかで,頻度が高く,しかも重大な事件に発展しかねないのは検体の取り違えやラベルの貼り間違いなどが考えられる(図).本稿では病理・細胞診検査のインシデントに関して,その要因と当院で行っている防止対策の現状を報告する.
病理検査はほかの分野の検査と異なり,その成績は単なる数値として表せるデータではなく最終診断的要素をもち,臨床において診断や治療方針の決定に重要な役割を担っている.病理形態検査がからむインシデントならびに医療過誤のなかで,頻度が高く,しかも重大な事件に発展しかねないのは検体の取り違えやラベルの貼り間違いなどが考えられる(図).本稿では病理・細胞診検査のインシデントに関して,その要因と当院で行っている防止対策の現状を報告する.
参考文献
1) 畠榮,真鍋俊明:病理検査技術の精度管理.病理と臨床 19:1328-1334,2001
2) 真鍋俊明,津嘉山朝達,山下貢司:鉗子生検材料(punch biopsy sample)の薄切方法に関する一考察.川崎医学会誌 9:354-362,1984
3) 清水健:乳癌組織におけるエストロゲンリセプターの免疫染色に関する精度管理.病理技術 61:26-29,2000
4) 福屋美奈子,畠榮,岩知道伸久,他:エストロゲン・レセプターの検出法―免疫組織化学的検出法(パラフィン切片法,凍結切片法)とEIA法との比較.病理技術 62:16-18,2000
5) 畠榮,小林博久,鐵原拓雄,他:細胞診業務における精度向上ならびに医療事故防止対策―川崎医科大学附属病院の現状と取り組み.日本臨床細胞学会岡山支部会誌 21:5-7,2002
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