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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻10号

2008年09月発行

文献概要

増刊号 これから広がる生理検査・新たにはじまる生理検査 A 心エコー法

5. 3次元表示法の原理

著者: 荻原克史1

所属機関: 1株式会社フィリップスエレクトロニクスジャパンヘルスケア事業部マーケティング本部超音波診断システム部

ページ範囲:P.922 - P.928

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はじめに

 心臓用超音波診断装置は,近年著しい技術開発により臨床・研究上で有益な多数の機能が,市販装置に搭載されるようになってきている.画像診断の目指すポイントは臓器(心臓)の形態および病理形態の完全な描出と包括的な評価であると言える.その点で,3次元表示法は今後の発展が最も期待される手法の一つであるといえる.

 3次元心臓超音波診断技術は1990年代に第1世代が登場した.初期の3次元心エコーは心電図および呼吸(アーチファクトを除去するため)の同期をかけた複数の1心拍の2次元断層画像を部分データとして収集し,PCおよびワークステーションで3次元画像を再構築するものであった.しかし,断面設定や画像調整がリアルタイムで行えないため,最適な1心拍の3次元動画像を得るまでに多くの時間(約20~30分間)を要するという問題点があった(図1).この方式による問題点は2000年代前半に登場した,リアルタイム3次元機能の実現により解決された.

 本稿においては3次元表示の基本要素についての紹介と,最新のリアルタイム3次元表示について解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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