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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻10号

2008年09月発行

文献概要

増刊号 これから広がる生理検査・新たにはじまる生理検査 C 血管エコー法

2. 経頭蓋超音波検査の実際

著者: 榛沢和彦1

所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科生体機能調節医学専攻呼吸循環外科

ページ範囲:P.981 - P.985

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二つの経頭蓋超音波法

 経頭蓋超音波検査には二つある.一つは汎用の心エコー装置を使う方法で,カラードプラが使用できることから経頭蓋カラードプラ法(transcranial color coded Doppler,TCCD)と呼ばれたり,TCCFI(transcranial color coded flow imaging)と呼ばれたりする.日本脳神経超音波学会ではTCCFIの呼称を推奨している.もう一つは経頭蓋超音波専用装置〔単にTCD(transcranial Doppler)と呼ばれる〕を使う方法である.歴史的にはTCDのほうが古い.ただし,TCDはドプラ法による流速波形しか検出できない.TCCFIはBモード画像により脳の形態がわかり,さらにカラードプラ画像で脳血管の走行がわかるため,流速測定の際に角度補正も可能で脳血流速度の絶対値が計測可能である.しかし,プローブが大きくて重いため長時間のモニタリングには適していない.一方,TCDのプローブは小さく軽いことから長時間モニタリングに適している.さらに最近のTCDは後述する脳血流内の微小血栓などを反映する微小栓子シグナル検出に特化しているものが多い.TCCFIとTCDは使う装置とプローブが異なるだけで基本的なやり方は同じであるが,初心者はTCCFIで脳血管の走行を見ておくとTCDがやりやすい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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