文献詳細
増刊号 これから広がる生理検査・新たにはじまる生理検査
C 血管エコー法
文献概要
はじめに
頸動脈超音波検査は,全身の動脈硬化を反映するため動脈硬化リスク症例のスクリーニング検査としても広く普及しており,急性期脳血管障害患者の頸動脈狭窄の有無や脳循環状態の推定に有用である.多くは総頸動脈系のみが評価されているが,椎骨動脈も観察可能であり,内頸動脈系と同時に検査することにより前部脳循環を含めたすべての脳循環を把握することができる.
椎骨動脈は頸動脈より深部にあり,径も細いため,頸動脈のように内膜中膜複合体(intima-media thickness,IMT)などの詳細な評価はできない場合が多い.しかし,血管径と血流速度測定により椎骨動脈の閉塞性病変の推測が可能であり,脳幹部,小脳,後頭葉など後部脳循環を司る椎骨動脈の狭窄診断を無侵襲かつ簡便に把握することは臨床的に重要である.
本稿では,椎骨動脈超音波法について,基本事項および実際の手順,評価,ミニマムエッセンスを述べる.
頸動脈超音波検査は,全身の動脈硬化を反映するため動脈硬化リスク症例のスクリーニング検査としても広く普及しており,急性期脳血管障害患者の頸動脈狭窄の有無や脳循環状態の推定に有用である.多くは総頸動脈系のみが評価されているが,椎骨動脈も観察可能であり,内頸動脈系と同時に検査することにより前部脳循環を含めたすべての脳循環を把握することができる.
椎骨動脈は頸動脈より深部にあり,径も細いため,頸動脈のように内膜中膜複合体(intima-media thickness,IMT)などの詳細な評価はできない場合が多い.しかし,血管径と血流速度測定により椎骨動脈の閉塞性病変の推測が可能であり,脳幹部,小脳,後頭葉など後部脳循環を司る椎骨動脈の狭窄診断を無侵襲かつ簡便に把握することは臨床的に重要である.
本稿では,椎骨動脈超音波法について,基本事項および実際の手順,評価,ミニマムエッセンスを述べる.
参考文献
1) 斎藤こずえ:7 . 椎骨動脈血流診断(TCDを除く).日本脳神経超音波学会 機関紙Neurosonology編集委員会(編):脳神経超音波マニュアル(Manuals of Neurosonology).報光社,pp153-160,2006
2) 久保田義則:Chapter3頸動脈エコーの検査手技9 . 椎骨動脈の描出.山崎義光,松尾汎,八坂正弘,他(編):臨床のための頸動脈エコー測定法 第2版.日本医事新報社,pp63-67,2008
3) 長束一行:頸動脈超音波検査の評価法.遠田栄一,佐藤洋(編):頸動脈・下肢動静脈超音波の進め方と評価法,月刊メディカルテクノロジー別冊 超音波エキスパート1.医歯薬出版,pp61-74,2004
4) Saito K, Kimura K, Nagatsuka K, et al:Vertebral artery occlusion in duplex color-coded ultrasonography. Stroke 35:1068-1072,2004
掲載誌情報