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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻10号

2008年09月発行

文献概要

増刊号 これから広がる生理検査・新たにはじまる生理検査 C 血管エコー法

5. 内胸動脈グラフト検査法

著者: 岡庭裕貴1 戸出浩之1

所属機関: 1群馬県立心臓血管センター技術部生理検査課

ページ範囲:P.1006 - P.1010

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はじめに

 冠動脈バイパス手術(coronary artery bypass graft,CABG)におけるグラフトは,耐久性に優れ長期開存率が良好であることから内胸動脈(internal thoracic artery,ITA)や胃大網動脈が広く用いられている.なかでも内胸動脈は血流量も多く心臓からの距離が近いことから,グラフト使用の第1選択肢として用いられることが多い.通常内胸動脈の評価は心カテーテル検査による侵襲的な検査が一般的であるが,近年,超音波装置の進歩により,高周波プローブを用いれば内胸動脈の走行や血流速波形を容易に検出できるようになった.しかし,超音波検査で内胸動脈のグラフトの適正や開存性を評価することは,決して統一化され確立されているものではなく,必ずしも多くの施設で実施されている検査ではない.本稿では,当センターで行っている内胸動脈の術前後の評価方法1)を中心に解説する.

参考文献

1) 戸出浩之:内胸動脈グラフト前後の評価方法.超音波検査技術 28:627-628,2003
2) 三上晴克:冠動脈 内胸動脈(ITA)エコー診断の意義.インナービジョン 19:82-86,2004
3) 寺澤史明,三上晴克,伊藤義治,他:経胸壁的超音波法による内胸動脈の内径および血流評価―第2肋間アプローチによる.心臓 32:32-36,2000
4) 古谷保博,高橋俊樹,今井弘,他:内胸動脈グラフトに結構動態評価における鎖骨上窩アプローチによる経皮膚的パルスドプラ法の有用性―ドプラーカテーテル法との比較検討.日胸外会誌 45:1803-1809,1997
5) 水上尚子,野口慶久,寺岡幸美,他:経胸壁ドプラ心エコー法による右内胸動脈グラフト開存性の評価.超音波検査技術 33:241-248,2008
6) 寺澤史明,藤田美悧,三上晴克,他:経胸壁的超音波法を用いた冠動脈結構再建術前後の内胸動脈の評価―第2肋間アプローチによる.心臓 32:937-947,2000
7) Takagi T, Yoshikawa J, Yoshida K, et al:Noninvasive assessment of left internal mammary artery graft patency using duplex Doppler echocardiography from supraclavicular fossa. J Am Coll Cardiol 22:1647-1652,1993
8) 小谷敦志:鎖骨下動脈盗血症候群と血管エコー検査.心エコー 8:602-615,2007
9) Brown HA:Coronary steal by internal mammary graft with subclavian stenosis. J Thorac Cardiovasc Surg 73:690-693,1977

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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