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文献概要
増刊号 これから広がる生理検査・新たにはじまる生理検査 F 脳神経系検査
2. マイクロニューログラムの基礎と臨床
著者: 國本雅也1
所属機関: 1済生会横浜市東部病院脳神経センター
ページ範囲:P.1093 - P.1100
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ヒトの末梢神経に電極を刺し,そこから神経1本1本の電気活動を記録できたら,というのは多くの神経生理学者の夢であった.神経線維1本ずつの電気活動を得ようとすると電極は非常に小さくなるため,その電気抵抗は大きくなる.それを観察するためには増幅率の大きい高性能のアンプを必要とする.実際の単一神経線維の電気的発火は振幅が数十から百数十μVの電位で,これは脳波とほぼ同じくらいの電位に相当する.当初はその記録が可能になるまでに相当な苦労があった1~3).
ヒトの末梢神経に電極を刺し,そこから神経1本1本の電気活動を記録できたら,というのは多くの神経生理学者の夢であった.神経線維1本ずつの電気活動を得ようとすると電極は非常に小さくなるため,その電気抵抗は大きくなる.それを観察するためには増幅率の大きい高性能のアンプを必要とする.実際の単一神経線維の電気的発火は振幅が数十から百数十μVの電位で,これは脳波とほぼ同じくらいの電位に相当する.当初はその記録が可能になるまでに相当な苦労があった1~3).
参考文献
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2) 間野忠明:Microneurography.臨床脳波 25:564-571,1983
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