検査と技術36巻11号

2008年10月発行

技術講座 生理

消化管超音波検査 その2：下部消化管

著者： 中村滋¹² 朝井均³⁴

所属機関： ¹長吉総合病院臨床検査科 ²近畿医療技術専門学校臨床検査科 ³春日野会病院 ⁴大阪教育大学

ページ範囲：P.1226 - P.1235

新しい知見

　腹部領域における消化管超音波検査は，歴史的には上腹部消化管の胃癌を中心に研究が進められ，その臨床的地位は十分確立されてきたが，その診断領域は下腹部にも拡大し，大腸のみならず以前なら全く考慮されることがなかった小腸にさえも及んでいるのが現状である．しかも，診断領域は癌を中心とする腫瘍性病変はもちろんのこと，日常臨床で極めて頻繁に遭遇する腸炎などの炎症性疾患にも及んでおり，感染微生物の種類の推定さえも試みられている．したがって，今日では下部消化管の超音波検査は，上腹部での検査と全く同様，なくてはならない必須の画像診断といっても過言ではない．

参考文献

1) 朝井均(監)，中村滋：エコ蔵じいさんの楽しい超音波診断Handy Text①：腹部，金芳堂，2006

2) 岩崎信広，岡部純弘：ステップアップ消化菅超音波検査，医歯薬出版，2006

3) 遠田栄一，長谷川雄一：消化管超音波検査―描出のコツと判読のポイント，医歯薬出版，2006

4) 関根智紀：新超音波検査消化菅，ベクトルコア，2006

5) 春間賢(編)，畠二郎，眞部紀明，他：消化菅超音波診断ビジュアルテキスト，医学書院，2004

6) 跡見裕，秋本伸，伊東紘一，他(監)：実践エコー診断，日本医師会，pp174-191，2001

7) 日本超音波医学会(編)：新超音波診断学第2巻　消化器，医学書院，2000

8) 寺野彰，山中恒夫：消化菅超音波診断の進歩，メディカルレビュー，2000

9) 湯浅肇，井出満：消化菅エコーの見方・考え方，医学書院，1998

10) 本田伸行：日常診療における消化菅超音波診断，メディカルコア，1996

11) 朝井均，野上浩實：消化菅疾患の超音波診断―胃・十二指腸を中心に，ライフサイエンスセンター，1983