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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻11号

2008年10月発行

文献概要

私の一推し免疫染色

ナプシンA―原発性肺癌と転移性肺癌の鑑別

著者: 前田昭太郎1 片山博徳1 岩瀬裕美1

所属機関: 1日本医科大学多摩永山病院病理部

ページ範囲:P.1244 - P.1246

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はじめに

 ナプシンA(分子量:35.0kDa,等電点:5.29)はHiranoら1)によって,二次元電気泳動法を用いて高分化型肺腺癌組織から見いだされ,N末端部分の合成ペプチドを抗原としてナプシンAに対するモノクローナル抗体として作製された.

 Hiranoら1)は,このナプシンAの肺腫瘍における発現を検討した結果,原発性肺腺癌43例では高分化型12例中12例(100%),中分化型19例中19例(100%),低分化型12例中8例(66.7%)に陽性を示したのに対し,転移性肺腺癌30例では全例に陰性であり,ナプシンAが原発性肺腺癌と転移性肺腺癌の鑑別に極めて有用であることを証明した.

参考文献

1) Hirano T, Gong Y, Yoshida K, et al:Uefulness of TA02 (napsinA) to distinguish primary lung adenocarcinoma from metastatic lung adenocarcinoma. Lung Cancer 41:155-162,2003
2) 前田昭太郎,横山宗伯,内藤善哉:臨床に呼応した迅速細胞診.日医大医会誌 1:102-109,2005
3) Wang, N. P., Bacchi, C. E., Gown, A. M. Coordinate expression of cytokeratin 7 and 20 define unique subsets of carcinomas. Appl Immunohistochem 3:99-107,1995
4) 岩瀬裕美,前田昭太郎,片山博徳,他:術中迅速穿刺吸引細胞診(FNAC)の有用性と迅速免疫染色について.肺癌 47:391,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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