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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻11号

2008年10月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈病理●液状処理細胞診検査の新しい試み・2〉

子宮頸部

著者: 照井仁美1 進伸幸1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.1262 - P.1265

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はじめに

 液状処理細胞診検査は細胞診検体から採取された細胞を専用の保存液を用いて標本作製する方法(thinlayer cytology)で,細胞変性が少なく診断精度が向上すると言われている.婦人科領域においても従来の直接塗抹法に代わりこの方法が導入されてきている.近年,米国においては婦人科細胞診検査の80%以上が液状細胞診になり,従来法より高い精度を示したとの報告もある1).この新しい標本作製法によって作製されたシンレイヤー(thinlayer)標本がわが国においても臨床で使用されるようになってきている.現在使用されている液状細胞診システムには,ThinPrep(R)システム(オリンパス)とSurePathTM法(医学生物学研究所)があり,両方法とも子宮頸部における細胞処理法として1996年に米国食品医薬品局(Food and Drug Administration,FDA)の承認を得ている.

 本稿では,われわれが使用経験を有するシンレイヤー標本の作製法の一つであるThinPrep(R)システムの有用性と将来について概説する2,3)

参考文献

1) Hutchinson ML, Agarwal P, Denault T, et al:A new look at cervical cytology. ThinPrep multicenter trial results. Acta Cytol 36:499-504,1992
2) 高松潔,照井仁美,長島義男,他:細胞診モノレイヤー標本 有用性とその将来.臨床検査 45:315-318,2001
3) 高松潔,照井仁美,長島義男,他:子宮頸部擦過細胞診におけるモノレイヤー標本の有用性とその将来 ThinPrepを用いた検討.日臨細胞誌 40:216-223,2001
4) 照井仁美,斉藤深雪,長島義男,他:子宮頸部擦過細胞診におけるモノレイヤー標本作製装置ThinPrepの有用性の検討―従来法との比較.日臨細胞誌 39(suppl1):81,2000
5) 照井仁美,高松潔,塚崎克己,他:液状処理検体標本の細胞所見.臨床検査 46:640-646,2002
6) 照井仁美,高松潔,塚崎克己,他:モノレイヤーmonolayer標本の作製方法.病理と臨床 20(増):50-55,2002
7) Lee KR, Ashfaq R, Birdsong GG, et al:Comparison of conventional Papanicolaou smears and fluid-based, thin-layer system for cervical cancer screening. Obstet Gynecol 90:278-284,1997
8) Papillo JL, Lee KR, Manna EA:Clinical evaluation of the ThinPrep method for the preparation of nongynecologic material. Acta Cytol 36:651-652,1992

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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