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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻11号

2008年10月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈診療支援〉

オートプシー・イメージングの現状

著者: 清水一範1 本村真理1 江澤英史1

所属機関: 1放射線医学総合研究所重粒子医科学センター病院臨床検査室

ページ範囲:P.1270 - P.1273

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はじめに

 オートプシー・イメージング(autopsy imaging,Ai)とは,大きな意味で死体画像診を示す.死体にCT(computed tomography),MRI(magnetic resonance imaging)などの画像診断装置で検索を行い,その後解剖が行われた場合には,その解剖情報と併せ死体から総合的により多くの医学情報を引き出すことを目的とした検査方法である.Aiは死亡時医学検索の一構成要素であり,その検索方法をAi(非侵襲性)→解剖(侵襲性)と序列化し系統化することに大いなる意義がある.

 近年,時津風部屋力士死亡事件などで異状死における死因解明システムの不備が社会問題となり,死因解明におけるAiの有効性が期待されている.本稿ではAiの現状について述べる.

参考文献

1) 江沢英史,米山隆一,神立進,他:Autopsy Imaging(AI) 新しい剖検概念を目指して.病理と臨床 20:633-641,2002
2) Ezawa H, Yoneyama R, Kandatsu, et al:Introduction of autopsy imaging redefines the concept of autopsy:37 cases of clinical experience. Pathol Int 53:865-873,2003
3) 大橋教良:DOAの原因疾患の診断(死亡後CT撮影の有用性と問題点について).日本救急医学会関東地方会雑誌 10:604-605,1989
4) 塩谷清司,河野元嗣,大橋教良,他:Autopsy Imaging症例で見る死後CTの利用法.断層映像研究会雑誌 30:84,2003
5) 第1回オートプシー・イメージング学会―臨床医学の発展に期待されるAi.メディカルトリビューン 37(7):24,2004  http://www.medical-tribune.co.jp/mtbackno7/3707/07hp/M3707241.htm
6) 検案に死後CTを導入―外表観察の限界を克服し,「真の死因」解明に貢献.メディカルトリビューン 37(23):38,2004  http://www.medical-tribune.co.jp/mtbackno7/3723/23hp/M3723381.htm
7) 死亡時画像病理診断(Ai)活用に関する検討委員会設置.日医NEWS第1112号,2008  http://www.med.or.jp/nichinews/n200105k.html
8) 厚生労働省:平成20年度厚生労働科学研究費補助金公募要項,2007  http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkyuujigyou/hojokin-koubo08/05.html
9) 江澤英史,塩谷清司:オートプシー・イメージング―画像解剖.文光堂,2004
10) 江澤英史:100万人のオートプシー・イメージング(Ai)入門.篠原出版新社,2005
11) 山本正二:Aiセンターが拓く医療社会の未来.オートプシー・イメージング学会誌 5:12,2004
12) 塩谷清司:オートプシー・イメージングアカデミア.海堂尊:死因不明社会 Aiが拓く新しい医療.講談社,pp234-247,2007
13) 長谷川剛,和田仁考:Autopsy imagingと医療メディエーション.オートプシー・イメージング学会誌 5:12,2004
14) 兼子敏浩,竹谷和美,石橋美紀,他:医療安全とAutopsy Imaging.オートプシー・イメージング学会誌 5:11,2004
15) 森茂郎,黒田誠,谷山清己:現在における剖検費の試算について.日本病理学会ホームページ,2005  http://jsp.umin.ac.jp/previous/inkai/inkaihokoku/boken sisan 050118.html

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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