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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻11号

2008年10月発行

文献概要

臨床医からの質問に答える

後天性血友病が疑われたときの検査

著者: 内場光浩1 下山治香2 山内露子2 安東由喜雄123

所属機関: 1熊本大学医学部附属病院輸血・細胞治療部 2熊本大学医学部附属病院中央検査部 3熊本大学大学院医学薬学研究部病態情報解析学

ページ範囲:P.1274 - P.1277

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背景

 後天性血友病は,なんらかの原因で凝固第Ⅷ因子に対する自己抗体が形成され,止血反応が抑制される病態である.第Ⅴ因子やフォン・ビルブランド因子(von Willebrand factor)に対する抗体が出現する場合もあるので,これらも含め後天性凝固因子インヒビターとも呼ばれる.多彩な出血症状を呈し,一般に重篤である.稀な疾患であるために医療側の認知が低く,このため診断に至るまで長い時間がかかる場合や,診断に至らない場合も多い.

 しかしながら,近年,認知度の高まりとともに報告数も増えてきており,特に2008年4月に,凝固因子インヒビターのスクリーニング検査(混合試験)が保険適応となったため,今後,この疾患の報告も増えてくると思われる.

 本稿では,われわれが経験した後天性凝固因子インヒビター症例,および鑑別すべき疾患であるループスアンチコアグラント(lupus anticoagulant,LAC)症例などを提示し,臨床検査上の問題点について述べる.

参考文献

1) 家子正裕,内藤澄悦,吉田美香,他:抗リン脂質抗体症候群.検査と技術 36:300-304,2008
2) 嶋緑倫:後天性血友病・後天性von Willebrand病の診断と治療.日本血栓止血学会誌 18:575-579,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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