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緊急検査としてのDダイマー検査
著者: 神谷優美子1 沖田政義2
所属機関: 1社会福祉法人同愛記念病院研究検査科 2社会福祉法人同愛記念病院技術科
ページ範囲:P.1373 - P.1376
文献購入ページに移動安定化フィブリンのプラスミン分解産物がDダイマーの総称で,生体内の血栓がプラスミンにより溶解されたときにDダイマーが生成される(二次線溶).
Dダイマーは以下の機序で生成される.
①血管内損傷部位で凝固系が作動すると,トロンビンが産生される.
②トロンビンがフィブリンに働き,フィブリノゲンがフィブリンモノマーになる.
③フィブリンモノマーが互いに重合しフィブリンポリマーになる.そこに第因子が作用して安定化フィブリンができて,血液の流れを妨げる.
④血流をスムーズにするためにはプラスミンが重要である.そのプラスミンによって分解されたフィブリンは,ポリマー構造を有する集合体(X-オリゴマー)を形成する.
この集合体の中には高分子から中間分子,低分子までさまざまな分画としてDダイマーが存在することが知られている(図1).このことから,Dダイマーは“架橋化されたフィブリンの分解産物”という意味でXDP(cross-linked fibrin degradation products)とも呼ばれている.
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