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私の一推し免疫染色
PAX-5/BSAP,Oct.2,Bob.1―ホジキンリンパ腫診断における有用性
著者: 田丸淳一1 中條智子1
所属機関: 1埼玉医科大学総合医療センター病理部
ページ範囲:P.1428 - P.1429
文献購入ページに移動PAX-5はpaired box(PAX)ファミリーの一つであり,染色体9p13にコードされ,その蛋白質は42kDa,391アミノ酸からなっており,別名BSAP(B-cell lineage specific activating protein)とも呼ばれる.本分子はB細胞分化の初期から発現し,さらに発生過程の中枢神経系や睾丸でも発現が認められており,B細胞の分化のみならず,神経系の発達や精子形成過程においても重要な分子であると考えられている.なお,一部のリンパ腫においてはこの遺伝子と免疫グロブリン重鎖遺伝子の転座[t(9;14)(p13;q32)]が認められており,その腫瘍発生にかかわることも示唆されている.
オクタマー転写因子の一つであるOct.2は免疫グロブリンの転写因子であり,そのコアクチベーターであるBob.1(B cell Oct binding protein 1)と結合し,免疫グロブリン遺伝子のプロモーター領域にあるオクタマー配列(ATTTGCAT)に結合してその発現を活性化する.各々は染色体19q13.2および11q23.1にコードされている.
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