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臨床医からの質問に答える
亜鉛(Zn)測定の臨床的有用性
著者: 上杉里枝1 河口勝憲1
所属機関: 1川崎医科大学附属病院中央検査部
ページ範囲:P.1457 - P.1459
文献購入ページに移動亜鉛は,必須微量金属の一つとしてほとんどの体組織に存在し,その総量は約2gである.DNAポリメラーゼやアルカリホスファターゼ(alkaline phosphatase,ALP)をはじめとする約300種にわたる金属酵素の活性中心元素として働いている.核酸代謝や蛋白質生合成などに関与しており,骨格の発育,皮膚代謝,生殖機能,味覚・嗅覚の維持,免疫機能および組織の修復など,正常な生命維持に不可欠な役割を担っている.
血清亜鉛濃度の異常高値は,急性中毒でみられるが遭遇することは極めて稀であり,臨床上問題になるのは異常低値となる欠乏症である.本稿では,血清中亜鉛濃度測定の臨床的有用性について当検査部での検討を中心に概説する.
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