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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻13号

2008年12月発行

文献概要

臨床医からの質問に答える

亜鉛(Zn)測定の臨床的有用性

著者: 上杉里枝1 河口勝憲1

所属機関: 1川崎医科大学附属病院中央検査部

ページ範囲:P.1457 - P.1459

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はじめに

 亜鉛は,必須微量金属の一つとしてほとんどの体組織に存在し,その総量は約2gである.DNAポリメラーゼやアルカリホスファターゼ(alkaline phosphatase,ALP)をはじめとする約300種にわたる金属酵素の活性中心元素として働いている.核酸代謝や蛋白質生合成などに関与しており,骨格の発育,皮膚代謝,生殖機能,味覚・嗅覚の維持,免疫機能および組織の修復など,正常な生命維持に不可欠な役割を担っている.

 血清亜鉛濃度の異常高値は,急性中毒でみられるが遭遇することは極めて稀であり,臨床上問題になるのは異常低値となる欠乏症である.本稿では,血清中亜鉛濃度測定の臨床的有用性について当検査部での検討を中心に概説する.

参考文献

1) 柳澤裕之:亜鉛の生理.治療 87(別冊):4-8,2005
2) 倉澤隆平:高齢者と亜鉛.治療 87(別冊):9-15,2005
3) 上杉里枝,河口勝憲,中藤聡子,他:「アキュラスオートZn」の基礎的検討および臨床有用性の評価.JJCLA:発行予定
4) 志越顕,上野ゆん子,熊谷頼佳:褥瘡と栄養検査―微量元素の重要性も含めて.臨床病理レビュー 127:92-98,2003
5) 岩崎滋樹:腎不全と亜鉛.治療 87(別冊):32-35,2005
6) 西山宗六:血液疾患と亜鉛―とくにスポーツ競技者の亜鉛欠乏性貧血について.治療 87(別冊):27-31,2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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