icon fsr

文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻13号

2008年12月発行

文献概要

一般検査室から私の一枚

生きている!?“尿沈渣”

著者: 有馬広海1

所属機関: 1済生会八幡総合病院中央検査部

ページ範囲:P.1460 - P.1460

文献購入ページに移動
 尿沈渣で,結晶か非結晶かを判断する材料の一つに,染色液で染まるかどうかということがある.上皮や血球などの非結晶成分は染色されることがあるが,一般に結晶は染色されないものとされている.

 ところが最近,染色されたのではないかと思われる「青い結晶」に遭遇した.これらは形態的特徴から「尿酸結晶」だと思われるが,一体なぜ結晶が染色されたのだろうか?

 原因として考えられるのは,尿酸塩が加温によって溶解するという性質を示すことである.これは逆に考えると温度が低下するに従って析出してくることを意味する.結晶は塩と全く同じようには考えられないが,そのプロセスには類似したものがあり,体外に出された尿の温度がまだ下がる前に染色液が加えられ,次第に温度が下がるにつれてアルシアンブルー色素のなんらかの影響を受けて,青く結晶化してきたのではないかと推測される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?