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p53抗体の検査法
著者: 澤部祐司1 野村文夫2
所属機関: 1千葉大学医学部附属病院検査部 2千葉大学大学院医学研究院分子病態解析学
ページ範囲:P.1468 - P.1469
文献購入ページに移動わが国における死因の第1位は悪性新生物が占め,日本人の3人に1人が癌によって死亡する時代である.しかし,癌を早期発見する目的においては,従来の血液中腫瘍マーカー検査の有効性は限られている.これは,その多くが癌細胞自体に由来する物質を測定しており,癌組織がある程度大きくなり血中濃度が上昇するまで検出が困難な場合が多いためである.
近年,血清中のp53抗体を測定する目的で,ELISA(enzyme linked immunosorbent assay)法が島田ら1)によって開発された.この検査は,癌細胞由来の蛋白抗原に対して反応性に出現する抗体を検出する検査法であり,従来の臨床検査では効果の限られていた早期癌の発見に有用なマーカーとして大きな期待がもたれている.さらに本検査は,食道癌,大腸癌および乳癌における腫瘍マーカー検査として,2007年11月より保険適応(170点)が認められた.本稿では,p53抗体の検査法とその意義について概説する.
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