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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻2号

2008年02月発行

文献概要

技術講座 病理

尿細胞診のフィルター法

著者: 夏目園子1 今井律子2 佐竹立成1

所属機関: 1名古屋掖済会病院病理部 2東海市民病院 中央臨床検査科

ページ範囲:P.105 - P.108

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新しい知見

 フィルター法(武藤化学株式会社製の液状検体標本作製装置CytoPrep21使用)による標本作製方法は尿細胞診標本に求められてきた大きな課題を解決した.一つは,なるべく多くの細胞を標本に載せること,もう一つは,細胞の退色を防ぐことである.さらに,顕微鏡での観察範囲が狭いなどスクリーニングしやすい標本を提供してくれる.一方,機器が高価であることや径の小さい細胞などは標本に載らない,細胞が多い場合は観察しにくいなどの欠点もある.さらに改良し,尿細胞診断のためになくてはならない機器となるよう期待する.

参考文献

1) 日本泌尿器科学会・日本病理学会/編:膀胱癌取扱い規約.金原出版,2001
2) 佐竹立成,夏目園子,今井律子:尿細胞診における疑陽性判定の要因.Medical Technology 30:458-460,2002
3) 今井律子,夏目園子,大池里枝,他:自然尿細胞診標本の退色について.日臨細胞誌 46:262-265,2007
4) 渡辺明朗,広井禎之:組織標本の退色はなぜ起こるのか.Medical Technology 34:185-187,2006
5) 西国広,島内敬二,籐利夫:泌尿器細胞診における検体処理,標本作製法.佐竹立成(編):泌尿器の細胞診,武藤化学薬品,pp80-88,1994

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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