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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻2号

2008年02月発行

文献概要

疾患と検査値の推移

糖尿病性腎症

著者: 村上太一1 土井俊夫1

所属機関: 1徳島大学病院腎臓内科

ページ範囲:P.116 - P.121

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疫学

 わが国における透析患者総数は年々増加の一途をたどっており,日本透析医学会の報告によると2006年のわが国での新規透析導入患者数は約3万5,000人で,同年末の透析患者総数は約26万4,000人であった1).これは国民500人に1人が透析治療を受けている計算になり,年間医療費は1兆円を超える規模となっている.透析導入にいたる原疾患は1998年以降,糖尿病性腎症(以下,腎症)が第1位の座を占めており,2006年には新規透析導入患者の約40%に及んでいる.さらに現在も透析導入にいたる腎症の患者数は増加傾向にあり,原疾患第2位の慢性糸球体腎炎患者の導入数が減少傾向にあるのとは対照的である.

 腎症患者の透析導入後5年生存率は約60%と生命予後が不良であるだけでなく,さまざまな合併症に伴うQOL(quality of life)低下や,経済的負担の増加などさまざまな問題への対応が要求される時代となってきている.その一つとして腎症の早期診断・治療介入により末期腎不全への移行を阻止することが非常に重要と考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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