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臨床検査技師の感染対策―1. 標準予防策
著者: 森屋恭爾1
所属機関: 1東京大学医学部附属病院感染制御部
ページ範囲:P.126 - P.127
文献購入ページに移動1.病院感染を説明しなさい
2.標準予防策,感染経路別対策を挙げなさい
3.空気感染経路をとる疾患を挙げなさい
■はじめに
病院感染症とは主に医療行為を介して生じる感染症であり,この病院感染症を未然に予防(prevention)することと,発生した感染症を制圧(control)することが病院感染制御である.
現在人口の高齢化,移植など高度医療による易感染患者の増加,またメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin-resistant Staphylococcus aureus,MRSA),バンコマイシン耐性腸球菌(vancomycin-resistant Enterococcus,VRE),基質特異拡張型βラクタマーゼ(extended-spectrum β-lactamase,ESBL)産生菌,多剤耐性緑膿菌(multi drug resistant Pseudomonas aeruginosa,MDRP),メタロβラクタマーゼ(metallo-β-lactamase,MBL)産生菌などの抗菌剤に耐性または低感受性の病原微生物の出現が医療の場で問題となっている.これら多剤耐性菌への対応はまず標準予防策遵守,経路別感染対策への十分な理解と実行が必要であり,重症急性呼吸器症候群(severe acute respiratory syndrome,SARS)においても標準予防策と経路別感染対策の実施が感染拡大を防ぐうえで最重要事項であったことが証明されている.
参考文献
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