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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻2号

2008年02月発行

Laboratory Practice 〈病理●内部精度管理・2〉

検査センターにおける細胞診検査のリスクマネージメント

著者: 大塚重則1 田中昇1 山内一弘1 羽山忠良1

所属機関: 1PCLジャパン病理・細胞診センター

ページ範囲:P.147 - P.149

文献概要

はじめに

 近年,医療におけるリスクマネージメントの重要性が強く認識され,医療機関や登録衛生検査所などの臨床検査室ではそれぞれ工夫を凝らし検査過誤を防いでいる.

 われわれ検査センターは種々の医療機関から多量の検体を受託し,検査を行っている.ちなみに2006年に扱った細胞診検体は880,000件を超えており,それに伴い検査過誤に陥るリスクは極めて高くなっているのが現状である.

 本来のリスクマネージメントとは潜在する過誤因子を抽出し,その対策を施し実施することが理想であると考える.しかし,われわれがリスクマネージメントの一環として実施している内部精度管理は実際に発生してしまった事例に学び,その対策を実施しているに過ぎないのが現状である.今回,本稿では細胞診検査における検体取り違えを防止する対策と,スクリーニングのエラーを防ぐ対策を中心に述べる.

参考文献

1) 田中昇:細胞診の普及による問題点―特に米国における現状と標準化にむけて.癌の臨床 42:886-892,1996
2) Tanaka N, Ikeda H, Ueno T, et al:Automated Cytologic Screening System (CYBEST model4):an integrated image cytometry system. Applied Optics 26:3301-3307,1987
3) 上野喜三郎,山内一弘,田中昇:新技術・周辺領域技術の応用と展開―細胞診自動スクリーニング装置:一次スクリーニングへの適用.臨床検査 44:1455-1459,2000
4) 田中昇:細胞診スクリーニング自動化―特にThe state of the artと展望.臨床検査 46:595-606,2002
5) 田中昇,大塚重則:細胞画像のデジタル化と解析 細胞診スクリーニング自動化への導入と実用化の現状.病理と臨床 24:392-404,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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