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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻2号

2008年02月発行

文献概要

臨床医からの質問に答える

基準範囲の決め方

著者: 細萱茂実1

所属機関: 1山梨大学医学部附属病院検査部

ページ範囲:P.151 - P.155

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はじめに

 基準範囲は検査成績を臨床的に解釈する際の基本的尺度の一つで,健常者がとりうる測定値の大部分を含む範囲を意味する.基準範囲の設定法としてCLSI〔Clinical and Laboratory Standards Institute(旧称:NCCLS,米国臨床検査標準協議会)〕の指針が提示され,国際的に基準範囲に対する考え方が明確となった.ただし,基準標本群の抽出や,標本に含まれる外れ値の除外法,また用いる統計手法の選択など,詳細についてはいまだ不明瞭な部分も残されている.

 臨床検査の標準化が進み,測定値の施設間差が是正されつつある今日,検査値判読の物差しとなる基準範囲が施設によって異なる状況は早急に解決すべき課題である.

参考文献

1) Doumas BT:How to define and determine reference intervals in the clinical laboratory (CLSI Approved Guideline C28-A2), 2nd ed. CLSI,2000
2) 細萱茂実:統計的立場から見た基準範囲の設定.検査と技術 28:1361-1365,2000
3) 細萱茂実:1変量データの要約.細萱茂実(編著):臨床検査データの統計解析,じほう,pp6-15,1998
4) 細萱茂実:基準値・臨床判断値.金井正光(編):臨床検査法提要,改訂第32版.金原出版,pp26-39,2005
5) 市原清志,松田信義:潜在基準値抽出法の理論とその検査情報学的意義.臨床病理 44:245-259,1996
6) 飯塚悦功,久米均,北村元仕:正常範囲設定のための新しい方法.臨床病理 27:158-161,1979

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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