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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻3号

2008年03月発行

文献概要

病気のはなし

皮膚癌(悪性黒色腫を除く)

著者: 帆足俊彦1

所属機関: 1虎の門病院皮膚科

ページ範囲:P.216 - P.220

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サマリー

 皮膚にはさまざまな悪性腫瘍が生じる.本稿ではそのうちの有棘細胞癌,基底細胞上皮腫,パジェット病(Paget disease)について解説する.有棘細胞癌は表面に角化を伴う結節で,高齢者の顔面や上肢に好発する.基底細胞上皮腫は顔面に好発する漆黒調の一見ほくろに見える小結節である.パジェット病は外陰部に好発する一見湿疹のように見える紅斑や脱色素斑である.基底細胞上皮腫は転移を起こしにくいが,有棘細胞癌とパジェット病は所属リンパ節転移を起こしやすい.いずれも治療は手術が第一選択となる.早期であれば予後は比較的良好である.進行例では放射線治療や化学療法を併用することになる.

参考文献

1) 小野友道:基底細胞癌.玉置邦彦(編):最新皮膚科学大系 第12巻.中山書店,pp82-98,2002
2) 大原國章,大西泰彦,川端康浩:乳房外Paget病の診断と治療.Skin Cancer 11:34-41,1993
3) Onishi Y, Ohara K:Ectopic extramammary Paget's disease affecting the upper abdomen. Br J Dermatol 134:958-961,1996
4) 石原和之,斎田俊明,山本昭史:悪性黒色腫(1987~91年)の統計調査による疫学,予後因子,10年生存率.Skin Cancer 15:99-107,2000
5) 川端康浩,土田哲也:乳房外Paget病.皮膚悪性腫瘍取り扱い規約.金原出版,pp58-71,2002
6) Sobin H, Wittekind Ch:TNM Classification of Malignant Tumours. 6th ed. Wiley-Liss, New York,2002
7) 斎田俊明:有棘細胞癌.玉置邦彦(編):最新皮膚科学大系 第12巻.中山書店,pp66-81,2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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