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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻3号

2008年03月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈臨床生理●脳波検査のステップアップ・4〉

脳波の導出法:原理と局在決定

著者: 前川敏彦1 飛松省三2

所属機関: 1九州大学大学院医学研究院精神病態医学 2九州大学大学院医学研究院脳神経病研究施設臨床神経生理学

ページ範囲:P.257 - P.262

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はじめに

 脳波は他の静的な画像検査(CT,MRI,SPECT)では得られない,患者の時々刻々と変わる機能変化をダイナミックに捉えることができ,意識障害やてんかんの診断に特に有力な検査である.しかし,横軸に時間,縦軸に信号変化を表記する方法は画像を見慣れている近年の臨床医には厄介な存在である.一般臨床医に脳波が役に立つと思わせるには,わかりやすさが必要である.わかりやすい脳波を示すためには,記録する臨床検査技師の知識と技量が問われる.言い換えると,アーチファクトの少ない記録をすると同時に,適当な刺激を被検者に与える(あるいは与えない)ことにより,脳波検査の得意とする「機能変化を捉える能力」を最大限に引き出すことが要求される(図1). 脳波導出法の原理を理解することは脳波判読の基礎につながるため,本稿ではその要点を概説する.

参考文献

1) 日本脳波・筋電図学会,脳波電極および導出法委員会:臨床脳波検査用標準モンタージュおよび臨床脳波検査用電極と基準導出法の使用指針.脳波と筋電図 13:92-97,1985
2) American Electroencephalographic Society:Guideline seven:a proposal for standard montages to be used in clinical EEG. J Clin Neurophysiol 11:30-36,1994
3) Klem GH, Luders HO, Jasper HH, et al:The ten-twenty electrode system of the International Federation. The International Federation of Clinical Neurophysiology. Electroencephalogr Clin Neurophysiol Suppl 52:3-6,1999
4) 大熊輝雄:臨床脳波学,第5版,医学書院,1999
5) Klass DW, Daly D (eds):Current practice of clinical electroencephalography. Raven Press, New York, 1979
6) Stephenson WA, Gibbs FA:A balanced non-cephalic reference electrode. Electroencephalogr Clin Neurophysiol 3:237-240,1951
7) Wallin G, Stalberg E:Source derivation in clinical routine EEG. Electroencephalogr Clin Neurophysiol 50:282-292,1980
8) 飛松省三:脳波の導出法.臨床神経生理学 34:44-53,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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