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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻4号

2008年04月発行

ワンポイントアドバイス

環状鉄芽球の重要性とその同定

著者: 大倉貢1 通山薫2

所属機関: 1川崎医科大学附属病院中央検査部 2川崎医科大学検査診断学

ページ範囲:P.328 - P.329

文献概要

はじめに

 生体内における鉄には二価鉄と三価鉄があるが,血液分野における鉄染色は血球内や組織中に存在する非ヘモグロビン鉄(三価鉄)を組織化学的に証明する方法であり,ベルリン青(プルシアン青)法と呼ばれている.鉄顆粒が証明される赤血球を担鉄赤血球(siderocyte),赤芽球を鉄芽球または担鉄赤芽球(sideroblast)というが,通常鉄顆粒は限界膜で囲まれたフェリチン集塊として少数存在するにすぎない.一方,ヘム合成障害をきたすと余剰の鉄顆粒が核近傍のミトコンドリア内に蓄積する傾向がみられ,これが光学顕微鏡レベルでは鉄顆粒が核周囲に分布した環状鉄芽球(ring sideroblast)として認識される(図).

 骨髄標本における鉄染色は,鉄定量値や貯蔵鉄とよい相関を示し,鉄欠乏や鉄過剰状態を推察することが可能である.以下,鉄染色における注意点とコツ,および環状鉄芽球の臨床的意義について簡単に解説をする.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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