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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻4号

2008年04月発行

文献概要

Laboratory Practice 〈情報システム〉

臨床検査システムの標準化に関する一考察

著者: 清水一範1 本村真理1

所属機関: 1放射線医学総合研究所重粒子医学センター病院臨床検査室

ページ範囲:P.360 - P.363

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はじめに

 臨床検査の標準化には,どの施設で測定しても同様な検査結果が得られるための測定に関する標準化と,システムで管理されている検査データなどの検査情報のやり取りに互換性をもたせるための標準化が必要である.このうち前者については,臨床衛生検査技師会をはじめ多くの学協団体において進められている.しかし,後者の臨床検査システムのデータ処理に関しては,保健医療福祉情報システム工業会(Japanese Association of Healthcare Information Systems Industry,JAHIS)臨床検査データ交換規約ver2.01や日本IHE協会(Integrating the Healthcare Enterprise-Japan,IHE-J)が臨床検査テクニカルフレームワーク2を提唱しているが,導入している施設は少ないのが現状である.

 臨床検査システムの情報処理に関する標準化には,基本的な業務フローの統一化,検査項目コードと通信プロトコルの統一化が重要である.JAHISやIHE-Jでは,臨床検査に関する情報取り扱い規約として,臨床検査項目コードに日本臨床検査医学会臨床検査項目分類コード第10回改訂版(JLAC10),標準通信プロトコルにHealth Level Seven(HL7)の採用を推奨している.本稿では,IHE-Jワークフローに基づきJLAC10とHL7を採用した臨床検査システムを構築した経験を踏まえ,臨床検査システム標準化の問題点について考察した.

参考文献

1) 保健医療福祉情報システム工業会(JAHIS):JAHIS臨床検査データ交換規約〈オンライン版〉Ver.2.0.http://www.jahis.jp/standard/seitei/st007/st007.htm,2002
2) IHE臨床検査テクニカルフレームワーク 第2部トランザクション.http://www.ihe-j.org/file2/news clinic/IHE-Lab LSWF TF vol2 v1 2 1 Jp.pdf,2005
3) 日本臨床検査医学会臨床検査項目分類コード第10回改訂(JLAC10)・第2版概要.http://www.jscp.org/JLAC10/a20021122.pdf
4) HL7. http://www.hl7.org/
5) 岡田裕善,大江直樹:IHE(Integrating the Healthcare Enterprise)臨床検査への展開.臨床検査 49(増):1391-1397,2005
6) 山田修:臨床検査分野におけるIHE(医療連携のための情報総合化プロジェクト).検査と技術 35:807-810,2007
7) 山田修,坂田実:IHE-Jを使って何が変わったか 電子カルテと臨床検査システム.医学検査 55:551,2006
8) 清水一範,山田泰寿,本村真理:臨床検査システムにおける情報取り扱いの標準化について 当院における試み.医学検査 56:151-155,2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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