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文献詳細

雑誌文献

検査と技術36巻4号

2008年04月発行

文献概要

臨床医からの質問に答える

感染症の遺伝子検査(B型肝炎ウイルスの遺伝子解析)

著者: 行正信康1 高木康2

所属機関: 1昭和大学病院臨床検査部 2昭和大学医学部医学教育推進室

ページ範囲:P.364 - P.366

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背 景

 B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus,HBV)は約3,200塩基の不完全な環状2本鎖DNAをゲノムにもつウイルスである.HBVはウイルス複製の過程で,プレゲノムと呼ばれる約3,500塩基のRNA鎖を中間体として逆転写により増殖するため,DNAウイルスであるにもかかわらず変異率が高い.B型肝炎は,HBV関連抗原抗体マーカー検査の組み合わせにより,一過性および,持続性肝炎の鑑別が可能である.また,HBV核酸検査は,潜伏期(ウインドウ期)における診断や定量的測定により持続性感染の治療効果判定に利用されている.HBV遺伝子解析は,ウイルス側の因子として,病態との関連において検討され,遺伝子型や特定領域の遺伝子変異の意義付けがなされている.日常検査で遭遇するHBVマーカー検査結果の乖離例などを検証するため,HBV遺伝子解析が取り入れられている.本稿では,昭和大学病院での経験と現状について解説したい.

参考文献

1) 行正信康,大串裕子,深澤克方,他:HBs抗原,抗体共存症例におけるB型肝炎ウイルス遺伝子の変異検出.臨床病理 48:184-188,2000
2) 行正信康,松田留美子,米山啓一郎,他:異なるB型肝炎ウイルスクローン(野生株と変異株)重複感染によりHBe抗体セロコンバージョン現象を繰り返した症例.臨床病理 54:31-35,2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1375

印刷版ISSN:0301-2611

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