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感染症の遺伝子検査(B型肝炎ウイルスの遺伝子解析)
著者: 行正信康1 高木康2
所属機関: 1昭和大学病院臨床検査部 2昭和大学医学部医学教育推進室
ページ範囲:P.364 - P.366
文献購入ページに移動B型肝炎ウイルス(hepatitis B virus,HBV)は約3,200塩基の不完全な環状2本鎖DNAをゲノムにもつウイルスである.HBVはウイルス複製の過程で,プレゲノムと呼ばれる約3,500塩基のRNA鎖を中間体として逆転写により増殖するため,DNAウイルスであるにもかかわらず変異率が高い.B型肝炎は,HBV関連抗原抗体マーカー検査の組み合わせにより,一過性および,持続性肝炎の鑑別が可能である.また,HBV核酸検査は,潜伏期(ウインドウ期)における診断や定量的測定により持続性感染の治療効果判定に利用されている.HBV遺伝子解析は,ウイルス側の因子として,病態との関連において検討され,遺伝子型や特定領域の遺伝子変異の意義付けがなされている.日常検査で遭遇するHBVマーカー検査結果の乖離例などを検証するため,HBV遺伝子解析が取り入れられている.本稿では,昭和大学病院での経験と現状について解説したい.
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