文献詳細
技術講座 生化学
―臨床化学基礎技術シリーズ―2.分析ツール その1:容量と重量(質量)
著者: 関口光夫1
所属機関: 1前・日本大学医学部附属板橋病院 臨床検査部
ページ範囲:P.391 - P.395
文献概要
臨床化学検査の測定値にかかわらず,定量的分析化学における分析値は“濃度”として表されるのが一般的である.その濃度の表し方には,容量モル濃度,質量モル濃度,質量分率,体積分率,組立単位で表される濃度がある.臨床化学検査での検査値や試薬の濃度表現には,容量モル濃度や組立単位(質量/体積)濃度が使用されることが多い.実際的には表1に示すような単位のほかにμg/ml,ng/ml,pg/mlなどの慣用単位が汎用されている.しかし,将来的には日常診療の場においてもSI単位系への転換を進め,容量モル濃度を用いるのが望ましいとされている.一方,分子量が明確でない成分は1
質量モル濃度や質量分率が使用される頻度は少ないが,浸透圧を表す濃度として質量モル濃度が用いられている.この濃度が臨床化学検査領域で汎用されないのは溶媒である血清や血液の比重が病態により大きく異なる場合があるためと思われる.
参考文献
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